動くモノを設計する上で制御工学は必須の学問です。
制御工学関係の本は、数10冊は買ったと思いますが、古典制御の本はだいたい、ラプラス変換、周波数応答、安定判別、、最後にちょこっとPID制御の紹介っていう感じでしょうか。
でも、実際に何かを動かそうとすると、教科書の知識だけだと、なかなか難しい。
そこで、より実践的で本当の意味で役に立つと感じた本をいくつか紹介します。
11ステップ制御設計 PIDとFFでつくる素性のよい制御系
タイトルからして実践的ですね。
所謂、教科書的な解説は少ないですが、一通り古典制御を勉強したけど、どのように応用したら良いのかわからないという人はぜひ本書を手に取ってほしいと思います。
実際の制御設計の流れを詳細に解説し、MATLAB/Simulinkで応答を確認するという感じの構成になっており、目から鱗の情報がたくさんあります。
また、他の本ではあまり取り上げないフィードフォワード制御(FF)についても詳しく解説しており、FFが実践でも有益であることがわかります。
全体的に説明がわかりやすく、なんで、こういう風に大学では教えてくれないんだ?と思うぐらい直観的に制御工学を理解できます。
新人の制御系エンジニア必携の良書です。
ArduinoとMATLABで制御系設計をはじめよう!
制御を学ぶには、実際にモノを作って動かしてみるのが一番です。
この本の通りに動かせば、ArduinoとMATLAB/Simulinkを使用して、簡単なモデルベース開発が体験できます。
僕は、MEGAの互換ボードで試しましたが、普通に動かすことができました。
Simulink側で制御ゲインを変えるとモータの応答が変化し、さらにその応答波形をリアルタイムでSimulinkのグラフで確認できるということがものすごく簡単にできてしまいます。
ひと昔前は、自分でマイコン側のソフトとC#とかでシリアルモニターのPCアプリを作って、、なんてことをやってましたが、純粋に制御工学の理解に集中することができます。
写真は、本書を参考に製作した実験装置です。
