サーキットをヴィンテージ風のオールドタイプ配線に改造
50年代のオールドレスポールと、最近のレスポールでは、配線(配線材料じゃなくて回路)が若干異なります。
どっちがいいかは、好みの問題かもしれないけど、どうせならオールドタイプ配線にしてみましょう。
現行タイプの回路図 (改造前)
実体配線図だと、回路のイメージが湧かないので、ちょっと電気的に書いてみました。

50年代オールドタイプの回路図
続いてオールドタイプの回路図です。

何が違うのか??
何が違うかというと、コンデンサ(0.022μF)の接続位置。
現行タイプの方は、ピックアップの出力に直にコンデンサ(つまりハイパスフィルタ)がぶら下がっていますが、オールドタイプは、ボリュームでピックアップ出力を分圧したあとに、コンデンサがぶら下がっています。
どっちも完全にボリュームをフル10にすれば、同じ回路ですが、現行の方が、ボリュームとトーンの独立性は高いと思います。
もうちょいわかりやすく
もっと、電気的に回路を書き直すと、わかりやすいので、さらにブレイクダウン。
電子回路屋さんには、こっちの方が、見やすいかも。
まず現行タイプはこんな感じ。(ボリューム部を回路の一番右端に書いてます。ボリューム =可変抵抗ですが、抵抗分圧の形で書いています。)

トーン回路が独立(ピックアップ出力に直に並列接続)しているので、あまりボリュームとの相互干渉が少ないと思います。
※厳密には、左端の電源=ピックアップは、理想的な電源ではなく、ハイインピーダンスの信号となるため、ピックアップの出力抵抗とトーンとボリュームの並列抵抗の分圧回路が、ギター出力とも言えます。したがって、トーンとボリュームは相互に影響していると考えます。
オールドタイプはこんな感じ。(トーン回路を右端に書いてます。先ほど同じように、ボリュームを抵抗分圧で表現しています)

もろに、後段のハイパスフィルタのインピーダンスが、前段ボリューム部の分圧回路に影響を与えますので、トーンを弄ると、音量にも影響が出そう。逆に言うとボリューム調整でも出音の周波数特性が変わってきますね。
イメージとしては、ボリュームmaxでトーンmaxなら、現行もオールドもどちらもあまり変わりませんが、ボリュームを絞った場合、音が小さくなるのに加え、オールド配線だと、ボリュームによって分圧した成分に対して、さらに並列接続されたトーン回路が作用し、高周波に対するゲインをより下げようとするので、モコモコ(高周波成分がカットされる)したサウンドになりやすい気がします。
ボリュームをコントロールして歪み調整することが多い人は、ちょっと違和感を感じるかもしれません。
まとめ
どちらのタイプも簡単な工夫で、より、ボリュームの独立性を高める術もあるのですが、どっちにしても、マグネットとコイルで発電した微弱で出力インピーダンスの高い信号を、超シンプルなアナログ回路で受けますので、完全なものは望めないです。(アクティブな回路を使えばなんとでもなりますが)
ましてや楽器の回路なので、電気的に正しいイコール良い音とは限らないですからね。
特にこの手の回路は正解はなくて、完全に自己満足の世界ではないでしょうか。
それでは、オールド回路へと改造していきます。


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